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業態別LED照明の選び方ガイド〜店舗・オフィス・工場、それぞれの「光」の最適解〜

2025.08.22 LED照明

はじめに:LED照明がもたらす多様なメリット

近年、照明の主流はLEDへと完全にシフトしました。従来の白熱灯や蛍光灯に比べ、LED照明は圧倒的な省エネ性能、長寿命、そして多様な色温度や調光・調色機能といった多くのメリットを提供します。しかし、これらのメリットを最大限に活かすためには、単に「LEDに変えれば良い」というわけではありません。特に、店舗、オフィス、工場といった異なる業態においては、それぞれの活動内容や求められる環境に応じて、最適なLED照明を選ぶことが極めて重要です。

店舗:顧客体験と商品価値を高める「魅せる光」

店舗における照明は、単に店内を明るくするだけでなく、顧客の購買意欲を刺激し、商品の魅力を最大限に引き出すための重要な要素です。

重視すべきポイント

色温度と演色性(Ra値)

色温度: 商品の種類や店舗のコンセプトに合わせて選びます。

・暖色系(〜3000K):
  温かみがあり、落ち着いた雰囲気や高級感を演出します。飲食店、アパレル、家具店などで効果的です。

・昼白色〜昼光色(5000K〜6500K):
 自然な光に近く、商品を正確な色で見せたい場合に適しています。食品スーパー、ドラッグストアなどで商品の鮮度や色味を際立たせるのに役立ちます。

演色性(Ra値): 太陽光に近い自然な色の再現性を表す数値で、Ra80以上が望ましいとされます。特にアパレルや化粧品店など、商品の色が重要視される店舗ではRa90以上の高演色性LEDを選ぶことで、顧客が商品の色を正確に認識し、購買意欲を高める効果が期待できます。

配光と明るさ(照度)

全体照明: 店舗全体の明るさを確保し、均一な光で快適な空間を作ります。シーリングライトやダウンライトが一般的です。

ポット照明(アクセント照明): 特定の商品やディスプレイを際立たせ、視線を集める効果があります。商品の質感やディテールを強調することで、購買意欲を向上させます。光の方向や角度を調整できるものが便利です。

照度: 通路は200〜300ルクス、陳列棚は500〜700ルクスを目安に、商品の種類や展示方法に合わせて調整します。

適したLED照明の種類

ダウンライト、スポットライト、ライン照明、間接照明、サイン用LEDなど。

オフィス:生産性と快適性を両立させる「集中とリラックスの光」

オフィス照明は、従業員の視認性を確保し、集中力を高め、目の疲れを軽減することで、生産性向上に貢献します。

重視すべきポイント

均一な明るさ(照度)

執務エリアでは500〜700ルクスが推奨されます。明るさのムラがあると、目の疲れや集中力の低下につながります。天井全体を均一に照らす照明器具を選ぶことが重要です。

色温度

・昼白色〜昼光色(5000K〜6500K): 集中力を高め、作業効率を上げる効果があるため、執務エリアに適しています。

・温白色〜昼白色(3500K〜5000K): リラックス効果もあるため、休憩室や会議室など、コミュニケーションを重視するスペースに適しています。

グレア(眩しさ)対策

直接目に入る光や、ディスプレイに反射する光が眩しいと、目の疲れや集中力の低下につながります。乳白カバー付きのパネル型照明や、ルーバー付きの照明など、グレアを抑える工夫がされた器具を選びましょう。

調光・調色機能

時間帯や業務内容に合わせて明るさや色温度を調整できることで、従業員の快適性を高め、生体リズムに合わせた最適な環境を提供できます。例えば、午前中は集中しやすい昼白色、夕方はリラックスできる暖色系に切り替えるといった運用が可能です。

適したLED照明の種類:

埋込型/直付型LEDベースライト、LEDパネルライト、ライン照明、デスクライトなど。

工場:安全性と作業効率を確保する「高耐久・高効率の光」

工場における照明は、作業員の安全性確保、作業ミスの防止、生産効率の向上に直結します。過酷な環境下での使用に耐えうる耐久性も求められます。

重視すべきポイント

高照度と均一性

危険を伴う作業や精密作業を行う場所では、十分な明るさを確保し、影ができにくい均一な照明が必須です。作業内容に応じて750〜1000ルクス以上が目安となります。

色温度

・昼光色(6000K〜6500K): 作業内容の判別がしやすく、集中力を維持しやすい色温度が適しています。

耐久性と防塵・防水性能(IP等級)

粉塵の多い場所や水滴がかかる場所では、IP等級の高い防塵・防水性能を備えたLED照明を選びます。耐震性や耐衝撃性も重要な要素です。

省エネ性能と長寿命

工場は照明の点灯時間が長く、設置台数も多いため、消費電力が大きくコストに直結します。高効率なLED照明を選ぶことで、電気代を大幅に削減できます。長寿命であることも、ランプ交換の手間とコストを削減する上で重要です。

非常用照明との連携

停電時にも作業員の安全を確保するため、非常用照明の設置と連携を考慮する必要があります。

適したLED照明の種類:

高天井用LED照明、防塵・防水型LED照明、投光器型LED照明、LED蛍光灯(既存器具対応型)など。

まとめ:専門家への相談とシミュレーションの重要性

LED照明は、一度設置すれば長期間使用する設備です。業態ごとの特性を理解し、適切な照明を選ぶことは、コスト削減だけでなく、従業員の生産性向上、顧客満足度の向上、そして安全性の確保に大きく貢献します。

最適な照明環境を実現するためには、専門知識を持つ照明メーカーや施工業者に相談し、実際に導入前に照度シミュレーションを行うことを強くお勧めします。専門家の知見を借りることで、失敗のない照明計画を立て、それぞれの業態に最適な「光」の環境を構築することができるでしょう。

この記事の監修

アンデス電気株式会社
環境システム 販売促進課

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